みなかみ町

みなかみ町は、群馬県最北端に位置し、谷川連峰をはじめ2,000メートル級の山々に囲まれ、町の中央を利根川の清流が流れる。「みなかみ18湯」といわれる温泉地が数多く点在し多くの観光客が訪れるほか、大自然を満喫できる登山やスキー・スノーボード、夏はフラティングやキャニオニングが若者に人気でリゾートタウンとしてますます注目を集める。交流人口の拡大で地域性化を図りながら定住者増に取り組む。

撮影 松田大介さん
環境省後援の温泉総選挙2016で、リフレッシュ部門1位に輝いた「みなかみ18湯」
冬も多彩なアクティビティが楽しめ、自然を満喫できる
子育て・移住定住支援
  • 子育て家庭住宅新築補助制度(最大100万円まで補助)
  • 福祉医療費支給制度
  • あんしん出産子育て支援アプリ制度
  • 空き家バンク制度
  • 空き家等活用補助制度(最大100万円まで補助)
  • 起業支援制度(最大100万円まで補助)

夏目啓一郎さん(35)

1年前、夏目啓一郎さんは家族とともにさいたま市からみなかみ町藤原地区に移住した。冬はスキー、夏はカヌーなどで町を度々訪れ、自然豊かなところに魅せられていた。長男の小学校入学を前に自然の中での子育て環境にもひかれた。

そんな中、「Play!FUJIWARA」を運営し移住支援を行うNPO法人奥利根水源地域ネットワークを知った。空き家を紹介され、リフォームを行い、移住することができた。「自然の魅力はもちろんですが、移住の決め手は『人』ですね」と夏目さんは振り返る。

本業は、フリーランスのカメラマンで、仕事の拠点は首都圏。都内にある祖母の家をベースに平日は仕事に没頭する。週末は、スキー、カヌー、山登りなどの念願だったアウトドア遊びに子供と熱中する。「キャニオニング、ラフティング、マウンテンバイクなど、やりたいことだらけ。手つかずの自然の美しさは最高です」と夏目さんは言う。

「冬の雪が不安でしたが、地元の人たちが雪かきを手伝ってくれました。採れたての野菜をお裾分けしていただくこともあります」と話すのは妻の友紀さん(41)。来春、小学生となる睦穂君(6)は、たった一人の入学式を迎える予定だ。

「みなかみ町は潜在力の大きな地。上毛高原駅近くにテレワークセンターも設置される予定ですし、仕事と生活の新しいスタイルという視点からも可能性を感じています」

本多 結さん(32)

実家がみなかみ町・たくみの里近くにある本多結さんは、新潟大で地質調査を研究し、建設コンサルティング会社に就職した。大阪支社に勤務し、充実した日々を送っていた。「20歳の頃から衰退していく地元のことが気にかかっていました。地元には、仕事がない友人たちもいました。このままでいいのかという思いは常にありました」。30歳を目前にして、地元へ戻る決意を固めた。

「道の駅 たくみの里」を運営するみなかみ農村公園公社に就職することができた本多さんは「自分の仕事は自分で創る」という志を持ち、新商品の開発に努力してきた。これまで、クリームチーズのように滑らかな食感とヘルシーさが売りの「塩ヨーグルト」、町の特産であるリンゴを用いたお菓子「みなりん」の2種類を開発し、販路拡大など営業活動にも取り組んでいる。

本多さんは現在、町が進める「たくみの里イノベーションプロジェクト」にも加わっている。「自分の生まれ育った地域を盛り上げていく活動にはとりわけ大きなやりがいを感じますね」という。

大阪時代から交際していた女性と2年前に結婚。みなかみ町での暮らしを楽しむ。「たくみの里のブランド力を高め、地域自らが仕事を生み出せるよう力を尽くしたい」。心に秘めた思いが熱い。