みなかみ町

新幹線を使えば東京から1時間程度の好立地と豊かな自然に恵まれたみなかみ町。こうした強みを生かすとともに、キャッシュレス化や働き方改革といった動きを捉え、都市部から人を呼び込む取り組みが活発だ。町民にとっても、都市部からやってくる人にも魅力的―。そんな町へと着実に変貌している。

みなかみフォトコンテスト2019 優秀作作品

MINAKAMI HEART CARD 独自の地域ポイント制度

みなかみ町で暮らす人、町を離れ故郷を想い暮らす人、町へ観光で訪れてくれる人などに、町内での買い物を便利でお得に楽しんでいただくために、昨年11月から始めた独自の地域ポイント制度。加盟店での買い物やふるさと納税などを通じてポイントをため、各種支払いに使える。

役場窓口や加盟店などで会員登録した観光客、住民に発行される「MINAKAMI HEART CARD」や、アプリをダウンロードしたスマートフォン・タブレット端末を通して、ポイントをためたり使ったりできる。1ポイント1円として換算。町内の加盟店での買い物の際は100円につき1ポイントを付与。現金をチャージでき、チャージした金額の2%がポイントとしてたまる。ふるさと納税の返礼は寄付額の30%のポイントを付与する。

また、MINAKAMI HEARTポイントモールを経由して提携サイトで買い物をすると、提携サイトのポイントとのダブルでためることができる。

テレワークセンターMINAKAMI 起業・働き方改革の拠点

東京からのアクセスの良さと豊かな自然を生かして新ビジネス創出や働き方改革の推進拠点にしようと2017年、旧月夜野幼稚園を活用して開設した。

教室を改修したサテライトオフィスには現在3社が入居。遊戯室だった場所はオープンスペースで、企業の合宿やセミナー、各種イベント会場として利用されている。センターの常駐スタッフが自然を生かした遊び場やランチスポットなどを紹介するとともに、定期的にイベントを開いて、テレワーカーや移住者と住民との交流を後押ししている。

本年度はコワーキングスペースを一新。スポット利用や2地域居住生活をしている人が仕事の拠点としたり、本年度に開始した「みなかみ町ローカルベンチャー育成事業」の拠点としても利用している。

世界の舞台へ

世界の舞台を目指し、努力を続ける若い世代がみなかみ町でも増えている。東京五輪聖火ランナーに選ばれた馬術競技の北山瑠那さん(藤原小6年)と、3人制バスケットボールのプロチーム「MINAKAMI TOWN . EXE」もそんな夢を描く。それぞれの夢や競技の魅力を紹介する。

3人制バスケ・MINAKAMI TOWN.EXE スポーツで地域貢献

みなかみ町を拠点とする3人制バスケットボールのプロチーム、MINAKAMI TOWNEXE(ミナカミ・タウン・ドット・エグゼ)。2017年、5人制プロチームに所属していた大塚俊さん=写真・左端=が、チームメートの日下謙人さん=同・左から2人目=らと立ち上げた。

少子高齢化が進む北毛地域。小中学校でも野球やサッカーなどのチームづくりがままならない。「少人数のチームスポーツはコミュニケーション能力が大切。だからチームスポーツを残したかった。3人制バスケなら人が集まり、根付くかもしれない」。大塚さんは振り返る。

日本やタイなど五つの国・地域で5月に開幕予定のリーグ戦に向け練習に励む。世界レベルの舞台に挑む一方、高齢者向けの健康講座や子どもを対象とした教室を開くなど地域貢献にも積極的だ。

チームのテーマは「みなかみから世界へ」。3人制バスケの普及や地域活性化、世界で活躍できる選手の育成―。大きな夢に向かって、全力で走り続ける。

北山 瑠那さん(藤原小6年) 「馬術で五輪」夢膨らむ

4年生の時、オリンピックや国際大会で活躍するトップレベルの選手の育成を目指して県スポーツ協会などが主催する「ぐんまスーパーキッズプロジェクト」のメンバーに選ばれた。以来、毎週土曜日、県馬事公苑(前橋市)で、馬術を学んでいる。

馬術の楽しさについて「思った通りに馬が動いてくれるとうれしいし、気持ちいい。動いてくれないと、自分も馬も疲れる。だから馬を混乱させないよう、分かりやすく、はっきりと合図を伝えるように心掛けている」と話す。

馬によって性格や癖はさまざま。レッスンや大会で馬を思い通りに動かすには、そうしたことを把握しておくことが必要だ。

新年度には同公苑の「乗馬少年団」に入団。技術を磨くだけでなく、イベントの運営補助などにも携わる。「大会の手伝いなど、いろいろできるのが楽しみ」と声を弾ませる。

「いつかオリンピックに出たい」。大きな目標に向かって、着実に歩んでいる。