第1回 日常にひそむ物語探す ローカルメディア『高崎で暮らす』

[2018/10/5]
「高崎で暮らす」の記事を書いている西さん
ことし6月から記事配信が始まったウェブメディア「高崎で暮らす」(https://takasaki-life.com/)。
リフォームやリノベーションを手掛ける「正和」(高崎市江木町、坂間正和社長)が運営し、高崎で働き、暮らす「物語のある人」をインタビュー形式で紹介しています。
取材を担当する若手社員の西涼子さん(24)を訪ね、記事に込めた思いを聞きました。
オープンスペース「ヒトハコ」
環状線沿いにある「正和」のショールーム「ヒトハコ」。
木の温もりを感じる家具や照明が施され、落ち着いた雰囲気が広がっています。
木をふんだんに使った素敵なショールームですね。
西

ありがとうございます。入社してすぐ、同期と2人でデザインしました。
コンセプトは「木の博物館」です。自然に曲がった木を柱にしたり、珍しい木材を並べたり。家づくりの素材に触れられる体験型のショールームを目指しました。

私は昨春に群馬大学社会情報学部を卒業したばかりで、建築に関しては素人ですが、一から任せてもらえたのでやりがいがありました。

大学ではコミュニティーづくりに関心があり、自宅や職場と離れてくつろげる「サードプレイス」を地域につくれないかと考えていました。
「ヒトハコ」はショールームだけでなく、セミナーや展示の会場として地域の方にも貸し出しています。人と人がつながり、交流する場として多くの方に活用してほしいと思います。

木でできた恐竜の標本も、西さんのデザイン
そもそも、なぜリフォーム会社がローカルメディアを始めたのですか?
西

「高崎で暮らす」は、高崎の暮らしが好きな「人」に絞って記事を掲載しています。
老舗居酒屋の店主、シェフ、デザイナーなど、さまざまな方を取材してきましたが、高崎が好きという物語はそれぞれ違いました。
人生の中に「なぜ高崎なのか」というターニングポイントがあって、そこを知ることにインタビューの面白さを感じています。

話を聞くと「高崎で暮らしたから今の自分がある」と感じている方がほとんど。
田舎でも都会でもない、この街の何を魅力と感じているのか。
人の物語を通して、街の魅力を伝えることができたらいいなと思っています。

記事を書くのは大変じゃないですか?
西

昔から本が好きで、高校・大学時代は演劇部で脚本を書いていました。
文章を書くことが好きなので、就職先は広告や広報の仕事を考えていたくらいです。
そういう職種って群馬には少なくて、当時は県内で働くのは難しいと感じていました。
実際、同級生の約半分は都内に就職しました。

今の会社は、最初の希望とは違いますが、自分がやりたかった地域ブランディングに関われているので、恵まれていると思います。
合同就職説明会で直接、社長と話す機会があり、新しいことに挑戦できる雰囲気にも魅力を感じました。
あ、こちら社長の坂間です。

社長にお聞きしますが、ローカルメディアなんて正直、あんまりもうからないのでは・・・
坂間社長(左)
坂間

商売じゃないですよ(笑)。そもそも広告なし、掲載費はO円です。
うちは20代の社員が多いので、西のような若い人の才能に投資する場、だと思っています。
今の世の中、すごく変化のスピードが速いですよね。
経験やしがらみに縛られない若い世代は、変化に抵抗なく対応できます。
それって、ビジネスの世界では強みですよ。

若者定住促進キャンペーン「ぐんま愛プロジェクト」でも、若い人に地元のよさをどう伝えるかという課題を抱えています。
坂間

どうしたら伝わるか。
これは、若い人に直接、聞くしかない(笑)
どこの会社でも新入社員はいますよね。
彼らに「なぜ群馬に戻って来たんだ」と聞いてみれば、そこにヒントがあるかもしれない。

西

「高崎で暮らす」でUターンした若者を取材したことがあります。若い人だって、群馬が好きだっていう人は多いですよ。
ただ、その気持ちを表現する機会が少ないだけかもしれません。
ぐんま愛プロジェクトでもっとラフに、若い人が集まれるような機会があればいいですね。集合すれば、自分1人が群馬を好きなんじゃないと自信を持って言えるはずです。

ヒトハコ
〒370-0046 群馬県高崎市江木町1658
利用目的
作品展示、イベント企画、セミナー、コワーキングスペースなど
料金
3時間ごと(500円)終日貸し切り(1500円)
収容人数
20名程度
駐車場
平日(2台程度)休日(10~15台程度)
※祝日のある週の土曜日は営業日
申し込み・問い合わせ
nishiryo0503@gmail.com
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